2024/09/12 14:51

キャビアには大まかに分けてフレッシュとパストライズ(パスチャライズ)が存在します。
当店のキャビアも必ずフレッシュかパストライズかが記載されています。
本記事ではキャビアのこの二つの違いについてできるだけ詳しく説明します。

パストライズとは

パストライズとは約60℃の低温で殺菌処理が施されたキャビアの事を言います。
キャビアは魚の卵、当然生ものですので採卵されただけの状態ではそう長くは日持ちがしません。そこで考案されたのがパストライズという低温殺菌技術。
低温殺菌が施されたキャビアは通常数週間しか日持ちがしないフレッシュキャビアより遙かに長い一年程度の保存が可能となります。
ただしパストライズにも時間の幅があり、日持ちを優先させてフレッシュ感を犠牲にするか、フレッシュ感を最大限残すために処理をするか分かれます。
低温とはいえ加熱がされた魚卵は当然タンパク質が固化するためフレッシュに比べ固めの食感、つまりプチッとした食感になります。
しっかりとパストライズされ、ロングライフ化されたキャビアほどその傾向が強くなるということです。

フレッシュキャビアの特徴

フレッシュキャビアは上で記したような加熱処理がされていないキャビアを言います。塩の添加(一部完全無添加のものもある)と熟成のみによって仕上げられるため、自ずと賞味期限は短くなり、価格もパストライズされたキャビアより高価になります。
食感は生の状態に近いためねっとりとしたキャビア本来の舌触りで、風味もキャビア本来のものが楽しめます。

ここまで書くとやはりパストライズよりフレッシュの方が優れていると思われてしまいそうですが、そう簡単な話でもないのがキャビア選びの難しいところ。

冷蔵キャビアと冷凍キャビア

当店取り扱いのキャビアもそうですが、冷蔵でパストライズ、冷凍だけどフレッシュ、冷蔵でフレッシュなどがあります。
それは日本のキャビア輸入形態による違いが大きく影響しています。
日本に輸入されるキャビアは基本的に約1.8kg(もしくは500g)の原缶に塩漬けと熟成がされた状態のものか、小さな瓶や缶にリパックしたものかのどちらかとなります。原缶で輸入されたキャビアはフレッシュ、リパックされたものは基本的にパスチャライズされています。
ここで現地ブランドからリパックの状態で輸入されたパスチャライズキャビアに関し注意が必要なことがあります。
それは前項で述べたパストライズの幅。輸入後に国内で行うパストライズに比べしっかりと加熱されていることにより、フレッシュを食べ慣れている方には固く感じることがあることです。またフレッシュに関しても塩の添加量はメーカーによってまちまちで、フレッシュながら塩が強くキャビアの繊細さが感じられない商品もよくあります。

このようにキャビアブランドは日持ちや食感、値段など様々な要素を加味してフレッシュ、パストライズ、冷蔵、冷凍の組み合わせを考え商品を送り出しています。
当店が厳選したキャビアもそのような背景から冷凍だから質が低いとか、パストライズだから食感が悪いという概念を捨てて本当に美味しいキャビアだけを選んでお届けしています。